書き続けていなかったら今ごろどうなっていただろう。

小さい頃、私は話すのが好きな子どもだった。

あまりにもしゃべりすぎて

両親にはいつも

「どうして黙っていらなれないの?」

と、しかられてばかりいた。

DNAを引き継いでしまったのか

娘も朝から晩まで飽きもせずによく話す。

そして、やはり家族にしかられている。

今となっては、両親の気持ちがわからないでもない。

娘を見ていて思い出したのは、

きっと、頭のなかにまとまらない思いがたくさんあふれかえっていて、

誰かに受け取ってもらえないと

どうしようもなかったということ。

そして、

たとえどんな話であっても耳を傾けてもらえること、

つまり、

自分が承認されることを貪欲に求めていたのだと思う。

20代の終わり、私は

口を開いたら最後、言わないことさえ

伝言ゲームのように広がっていく地域社会に身を置いたことで

話すことを避けるようになった。

ちょうどブログやSNSが流行し始めた頃だったので

しゃべり続けるのを止めて

書き続けるようになった。

誰かに読んでもらえることを前提にしていたわけではないので、

本当に言いたいことは全部、書いていった。

書き続けることがトレーニングになったのか、

それからほんの少しのあいだ、

雑誌や書籍のライターをするチャンスにも恵まれた。

書き続けていなかったらできなかったことを

たくさん経験させてもらえた。

これから先、書き続けることで

どんなことが待っているのかはわからないけれど

きっと人生の質が高まる。

書くことで自分はもちろん、

誰かの幸福につながると、信じている。

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