ある年配の方と話をしていたときのこと。
「クレーターが、クレーターが」
と繰り返し言うので、
ニュースにうとい私は
どこかの惑星でクレーターが見つかった
とか
どこかの惑星のクレーターから持ち帰ったもののなかに
なにか新しい発見があった?
とか
勝手に妄想して話を聞き始めたのだが、
どうも宇宙ではなく知り合いの話をしているようだった。
彼女が話しているのは
「クレーマー」の話だった。
ひと通り、話を聞き終えたあと
「そんなクレーマーに会って災難でしたね」
と、やんわり指摘したところ
彼女はまちがいに気づいて
「クレーターはなにかつくるひとのことよね?」
と、笑いながら答えた。
「それはクリエイター!」
今度ばかりは私もつっこまざるをえなかった。
いつからだろう?
世の中がこんなにカタカナばかりになったのは。
どれだけたくさんの人が氾濫するカタカナを理解し、
使いこなせているのだろう。
クレーターは「火山の噴火口」と言った方がわかる場合もある。
クレーマーの話をするときは
無理にうろ覚えの言葉を使わなくても
「苦情を言っている人がいて、どう見ても度が過ぎていた」
と言えば、きっと伝わる。
クリエイターならば、
制作者、作家、著作家、芸術家…
◯◯を作る人と言い換えることができることの方が多い。
誰かにしっかり伝えたいと思うことがあるならば、
相手に伝わる言葉を選ぶ。
わかりにくい言葉は相手にわかるように言い換える。
私としては気配りをしたいところだが
カタカナを極力使わないということは
時代から取り残されることにもなるのだろうか…
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