小説を書きたいと思っている理由があります。
もちろん、小説だけで生計を立てるのが
最終目的ではありますが、
いちばんの理由ではありません。
語り部のように
後世に伝えたいという
大きなテーマを持っているわけでもなく、
同人誌など誰かと一緒に楽しんで書いていきたい
という願いがあるわけもありません。
どちらかと言えば、
何かを継続することは苦手な私が
最初の小説を書き上げることができたのは、
他に自分を癒やす方法を知らなかったからです。
それまでの人生で経験したことのない
悲しい出来事が積み重なりすぎてしまって
書くことなしには、耐えられなくなってしまった…
というのが本音です。
感情だけは感じきっていましたが、
いろいろわからないことだらけでもあったので
小説という架空の設定、物語を作ることで
自分のなかの「こうだったらいいな」という思いを
吐き出すことができました。
もちろん、最初の小説を書き上げた直後から、
死神が脇を通りすぎていくような
どぎついことも何回かありました。
最初の小説を書こうと思ったときのように
自分で自分がわからない、
「どうしちゃったんだ、私?」という状況に
おちいらずにすんだのも
書くことで自分を保っていられることを
知っていたからだと思います。
私が小説を書き始めたときは
カウンセリングや心療内科に行くにしても
たくさんの交通費と移動時間が
必要なところに住んでいました。
小説を書くということ自体も
時間はもちろん、
精神力が必要でした。
三日三晩寝つけないで、
号泣しながらキーボードに向かっていた
日々もありました。
楽だったとは言えません。
でも、メンタルが100%健全に
戻ってはいないかもしれないにせよ、
今日も私は無事に過ごせています。
事実であれ架空の話であれ、
時間も費用も余裕がないのであれば、
【書くこと】で
心は確実に軽くできると信じています。
あとは、できあがった作品を
読んでよかった!と言ってもらえるかたちに
すること。
私自身の今後の課題です。
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