小説を書きたいと思っている理由があります。
もちろん、小説だけで生計を立てるのが
最終目的ではありますが、
いちばんの理由ではありません。
語り部のように
後世に伝えたいという
大きなテーマを持っているわけでもなく、
同人誌など誰かと一緒に楽しんで書いていきたい
という願いがあるわけもありません。
どちらかと言えば、
何かを継続することは苦手な私が
最初の小説を書き上げることができたのは、
他に自分を癒やす方法を知らなかったからです。
それまでの人生で経験したことのない
悲しい出来事が積み重なりすぎてしまって
書くことなしには、耐えられなくなってしまった…
というのが本音です。
感情だけは感じきっていましたが、
いろいろわからないことだらけでもあったので
小説という架空の設定、物語を作ることで
自分のなかの「こうだったらいいな」という思いを
吐き出すことができました。
![read-369040_640](http://bandomegumi.com/wp-content/uploads/2015/05/read-369040_640.jpg)
もちろん、最初の小説を書き上げた直後から、
死神が脇を通りすぎていくような
どぎついことも何回かありました。
最初の小説を書こうと思ったときのように
自分で自分がわからない、
「どうしちゃったんだ、私?」という状況に
おちいらずにすんだのも
書くことで自分を保っていられることを
知っていたからだと思います。
私が小説を書き始めたときは
カウンセリングや心療内科に行くにしても
たくさんの交通費と移動時間が
必要なところに住んでいました。
小説を書くということ自体も
時間はもちろん、
精神力が必要でした。
三日三晩寝つけないで、
号泣しながらキーボードに向かっていた
日々もありました。
楽だったとは言えません。
でも、メンタルが100%健全に
戻ってはいないかもしれないにせよ、
今日も私は無事に過ごせています。
事実であれ架空の話であれ、
時間も費用も余裕がないのであれば、
【書くこと】で
心は確実に軽くできると信じています。
あとは、できあがった作品を
読んでよかった!と言ってもらえるかたちに
すること。
私自身の今後の課題です。
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