意味のない文章なんて書きたくないし

10年ほど前になりますが、

ちょっとだけライターの仕事をしていたことがあります。

コンビニの雑誌ラックや雑誌の横の棚に並んでいるような

新書サイズの書籍でした。

当時はライターの仕事がどういうものかわかっておらず、

言われるままのことをしていたのですが、

それは

ライティングと呼べるようなものではありませんでした。

渡された資料を元に

文章の順番を入れ替えたり

言葉の表現を同じような意味のちがうものに置き換えたり…

つまり

著作権にひっかかからないようにする作業をするのが

ライターの担当でした。

もちろん、当時も

自分や誰かの知識をいちから構成して

オリジナルとして発信しているライターもいたとは思います。

だけど、

当時の私には自分で発信できるものが何もありませんでした。

最初は、

言葉遊びの感覚でコンビニ書籍の仕事をしていたのですが、

タイトな納期とギャラの支払いの悪さ(最長2年後)に

熱意を失いました。

あるとき、

原稿に画像を添付するように言われました。

画像は著作権許諾が必要な物だったので、

直接、著作権者に使用許諾を取りました。

そして、先方から提供していただいた画像を、

原稿と一緒に納品したのです。

ところが、〆切2日前の夜。

手ちがいで一部の画像の解像度が低く、

印刷するのが難しいことが発覚しました。

担当編集者は

「著作権なんてどうでもいいから、

適当にカメラで撮るか、スキャンして画像を送ってよ」

・・・

私は、そのひとことで、その仕事を辞めました。

6桁近く未払いだったギャラも

全額は支払われませんでした。

結局、その出版社は倒産したのですが、

そのときの担当編集者は自分で会社をつくって

今でも出版業界にいるようです。

昨今、「本が売れない」と、よく耳にしますが、

こんないいかげんな本が当たり前に売られているからなのでは?

と、疑ってしまいます。

適当に作られた本がたくさんあるから、

本は「お金を出してまで読みたいもの」でなくなってしまった。

そんな気がしてなりません。

お金を払わなくても、上質な情報はネットでも得られる時代になりました。

ネットでも、リライトの文章は横行しているけれど、

どうせ書くなら、

下手でもいいから、

相手にとってはもちろん、

自分にとっても意味のある文章を書きたい!

と、強く強く思うのです。

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